ファン・デア・ベレン氏=ロイター
昨年のオーストリア大統領選で勝利した左派・緑の党元党首のファン・デア・ベレン氏が26日、大統領に就任しました。欧州連合(EU)各国での右翼政党台頭やトランプ米大統領の誕生を受け、就任演説で「(EUは)不完全で脆弱(ぜいじゃく)であり、(加盟国が)協力し合うのは難しいです。だが簡単な答えを求め、愛国主義や排他主義に陥ってはいけない」と強調し、ポピュリズム(大衆迎合主義)との対決を呼びかけました。
また難民問題については「助けを必要としている人を支援するのは人間の義務だ」と述べ、受け入れに寛容な姿勢を示しました。
ファン・デア・ベレン氏は昨年12月の大統領選決選投票で、難民らの排斥を訴える極右・自由党のホーファー国民議会議員(45)を小差で破った。オーストリアでは行政の実権は首相にありますが、大統領は国会解散などの権限があります。任期は6年です。